安沼用水隧道(富士宮市)
安沼用水隧道(やすぬまようすいずいどう)
【富士宮市安居山、安居山隧道】芝川の水を、芝川町西山から安居山まで引き入れた安沼用水隧道は全長1550mの隧道で、安居山・沼久保地区を潤す用水として非常に重要な役割りを果たしてきました。
この用水は、1848〜1854年に領主旗本駒木根氏によって計画されましたが、安政の大地震によって遺棄。
1870年に静岡藩士門田退蔵と山川伊十郎によって再起されましたが、資金不足により再び中止。
1892年に安居山・沼久保・大中里の有志者が起工し、1895年にようやく隧道が貫通しました。
この隧道は、終端部の竹やぶの中に、命穴と呼ばれる2箇所の穴が貫通した当時のまま残っています。
この命穴は、安沼用水隧道の工事の安全対策として、隧道に平行して掘られた避難を目的とした通路です。
実際に、明治36年(1903)12月に水路の修理工事を行った際に、大地震による落盤事故が発生し、16人が生き埋めになりましたが、命穴により無事脱出することができたといわれています。
(静岡県・OUTER NETWORK HPより抜粋)