向市場遺跡(浜松市)
向市場遺跡(むかいいちばいせき)【浜松市天竜区水窪町地頭方・市指定史跡】昭和55年8月6日
昭和30年国鉄飯田線付替工事や土地所有者の小塩家、田中家の宅地造成工事中に多数の出土品が発見されました。
出土品の主なものは縄文時代後期から晩期(終末期)に至る縄文土器で(堀之内1式、加曽利B1I式、元住吉式、安行1式、五貫森式、水神平式)、石器は石斧(26点)石棒(8点)砥石(2点)石鏃(4点)などとなっています。
この付近は前方に水窪川が流れ、西向きの河岸段丘地です。
小塩家、田中家を中心にしてかなり広い範囲で出土し、また昭和44年飯田線踏切の電話線埋設工事の際にも出土しています。
またこの遺跡からは弥生時代前期のものも重複して出土しており、この遺物の主なものは(遠賀川式)壷、甍で、原型を保っています。
これらは弥生時代の文化の始まりを示すものです。
このように向市場遺跡は出土品も多く、かなりの範囲から遺物が発見されていることから、縄文時代の後半の時期に塩の道沿いとしてかなりの集落が営まれていたことが考えられます。
(浜松市HPより 抜粋)