初音ヶ原遺跡(三島市)
初音ヶ原遺跡(はつねがはらいせき)【三島市川原ヶ谷】
箱根旧街道松並木の錦田一里塚周辺に広がり、標高約90mの平坦な丘陵地帯に位置し、東西約150m・南北約600mにわたる大規模な旧石器時代の遺跡。
昭和60年の本格的発掘調査を含む過去3回の発掘調査の結果、60基に及ぶ土壙をはじめ道状・溝状遺構、石器製作址のほか、ナイフ形石器なども検出された。
箱根山西麓地域の標準的な土層の堆積は、最下部が約30,000年前の富士山の火山灰、約24,500年前の姶良丹沢火山灰など8枚の文化層で知られている。
中でも約27,000年前と推定される土壙が60基発見され、深さ約1.8m・口の直径約1.4mで、台地に沿って75mほどの弧状に並んでおり、シカなどの動物を追い込んで捕獲するための落し穴と考えられている。
これらは日本最古の落し穴と見られている。
規模・形態・数などの点から、全国でも稀な発見例と云える。
又地表面から約2.3mの深さで見つかった多量の石クズは、石器を製作した折に捨てられたと見られ、約27,000年前の集落跡を彷彿とさせる。