向山古墳群(三島市)
向山古墳群(むかいやまこふんぐん)
古墳の施設や出土遺物から見て、この古墳が造られた時期は5世紀後半から6世紀前半の古墳時代中期後半と考えられています。
三島市内では最も古い古墳群で、その規模や出土遺物の内容から田方平野北部を支配していた「クニ」の王(首長)の存在をうかがい知ることができ、また、全国的に定型化した前方後円墳を有していることから、大和国家、大和朝廷との関係を知る上で重要な古墳群であると言えます。
平成3年(1991)の市道拡幅工事に伴う発掘調査により、円墳11基・前方後円墳1基の計12基が確認されています。
向山古墳群の大きな特色は、横穴式石室が造られる以前の古い形式の埋葬施設で、木棺直葬といって、遺体を入れた木棺を、直接古墳の盛土の中に埋めたものであることです。
昭和50年(1975)、向山小学校建設中に発見され、発掘調査された2基の円墳からは、鉄剣・鉄刀・鉄鏃(てつぞく)が出土しました。
伊豆地方には向山古墳群が造られた時期に近い古墳群として、伊豆長岡町の丸山古墳群と、韮山町の多田古墳群がありますが、伊豆地方の古墳から鉄剣が出土したのは初めてのことです。
出典 三島市教育委員会説明板