元野牧(沼津市)
元野牧(もとのまき)【沼津市】
古代、駿河国には岡野馬牧という牧が置かれていたが、愛鷹山には古くから野生の馬が生息していた。
江戸幕府は、享保期以降この愛鷹山の野馬に目をつけ、寛政8年(1796)野馬掛・岩本石見守正倫は、神罰を恐れて反対する地元の主張を退け、牧の開設を断行、翌9年、元野・尾上・霞野の3牧が開設された。
さらにその50年後の弘化3年(1846)には、尾上牧の馬数増加に対応するため、尾上新牧が新設されている。
元野牧は、駿東郡柳沢村上に捕込がつくられ、東は小尾振沢(西川)で尾上牧と、西は大沢川で霞野牧と接していた。
捕込の南方には、鳥谷村が結切(詰切とも)を担当したという土手が一部残るほか、捕込の北からは東に向かって延々と追込土手が続いて残っており、残存状況は4牧中最も良好である。
捕込枠の形は、いつの時代かで改造されたらしく、最初の溜込・捕込・払込が横一列に並んだ形から、溜込・捕込が横に並び捕込の下に払込が付くという形に変わっている。
(沼津市HPより 抜粋)