120年ぶり民法大改正⑦
120年ぶりの民法大改正の四大項目のひとつ「敷金」について、地域の商習慣の違いによるトラブルを防ぐため、入居時に払う敷金の返還義務を明文化することが決まりました。
敷金は、「賃料など金銭債務を担保する目的で、借主が貸主に交付する金銭」と明文化され、賃貸契約が終了して部屋を引き渡した時点で、「返還されなければならない」とされました。
また、敷金から差し引く費用の根拠となっている現状回復義務についても「通常使用で生じた損耗や経年劣化は除く」と明記されました。
しかし、敷金が全額戻るわけではありません。使い方が悪いために生じた損傷については、原状回復義務があり、借主負担となります。
この借主の責任の目安となるのが、国土交通省のガイドラインです。
落書きはもちろん、ペットや引っ越しによる傷、水漏れを放置したことによるシミなども借主負担で修繕する必要があります。
一方、日照による床の色落ちや台所・トイレの消毒、紛失していない鍵の交換費用などは貸主負担とされているため、請求されても断ることはできるのです。