自宅の相続と税金③
相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内と定められています。
「小規模宅地等の特例」を受けるためには、この期限までに相続税の申告を行うことが必要です。
しかし、相続人間で遺産分割の協議がまとまらず、結果、期限までに相続税の申告が間に合わなかったという事態も起こりえます。
この場合は、もちろん「小規模宅地等の特例」は適用外となっしまいます。
いわゆる「争族」が深刻化し、調停や裁判となれば決着するまでに何年もの月日を要する事もあり得ます。
これではせっかくの税制優遇を受けるどころか、相続税の負担が膨らみ、さらには弁護士費用まで発生ということになりかねません。
特例の要件や内容を承知しておくことも大切ですが、特例の存在意義をしっかりと理解することが重要です。
「小規模宅地等の特例」は残された者たちが、相続税の負担で、その後の生活に困ることのないよう特別に用意された制度なのです。