確定申告で「特定支出控除」
民間企業のサラリーマンや公務員が必要経費として確定申告すれば所得税がかからなくなる「特定支出控除」の利用者が急増しています。
これは政府が2013年度から、新たに図書費や衣服費、交通費にも対象を拡大したためです。
国税庁の調べでは、13年度分で制度を使った人は1600人で、前の年(6人)から約260倍となった。
所得税は年収に応じて65万~245万円を差し引いた給与所得から、さらに必要経費分などを除いた額をもとに計算されます。
給与所得控除は自動的に差し引かれますが、必要経費への課税を避けるための「特定支出控除」は確定申告が必要になります。
制度の拡大前は、対象範囲が狭いなど使い勝手が悪く、毎年、数人しか利用者がいませんでした。
この「特定支出控除」は13年分から適用範囲が拡大され、書籍や新聞、スーツの購入代や交際費も必要経費として認められることになったのです。
また、以前は給与所得控除の超過分が対象だったのに対し、13年からは給与所得控除額の2分の1を超過した分になりました。
例えば、年収600万円の場合、給与所得控除は174万円ですが、その半額の年間87万円を超えた必要経費が控除の対象となります。
「自営業者に比べ控除の対象が狭い」との不公平感はサラリーマンには根強くあります。
会社から証明書をもらう手間はありますが、確定申告をしてこの制度を利用しない手はありません。