ギリシャショックは発生しない見通しとなった
世界の株式市場が低迷していた要因のひとつであったギリシャ債務減免問題で、新たな展開があった。
日本時間で2月2日、ギリシャの新政権がEUに対する債務減免要請を撤回し、現在の債務をギリシャのGDP成長率に連動する債券に借り換えるよう要請したと報道があった。
つまり、「いまある借金を出世払いにしてくれ」と頼んだのだ。
これで、ギリシャがデフォルトを宣言する可能性はなくなったと考えて良いと思うし、債務減免要請を撤回したのだから、これは世界経済にとって大きな前進だと思う。
とりわけ大きいのは、ギリシャの財務大臣が「ギリシャ国債への投資家には損失を出させない」と明言したことだ。実に重要な発言だと思う。
事実上、ギリシャショックの発生は回避されたと考えて良いと思う。
この発言を受けて、日本時間2月2日明け方の、ニューヨークダウの終値は大幅上昇だった。
世界の株式市場における、ひとつの懸念材料が消え去ったと考えて良いと思う。
ただし、これで世界の株式市場が上昇転換するか否かを判断するには時期尚早だと思う。
原油価格の低下が落ち着くまでは、本格的な上昇転換は難しいと思う。
原油価格が下落し続けているので、原油の先物取引で損失を計上しているヘッジファンドなどの機関投資家は、別の金融商品で利益を計上して相殺しなければならない。
その行為を、世界中の機関投資家が行っていると考えてよいと思う。
だから、とくに先進国の株式市場や債券市場では不安定な動きが継続している。
ただし、原油価格の大幅な下落は、個人消費にとっては大きなプラスであることは間違いない。
原油価格下落に伴う一連の損失計上が完了すれば、再び世界経済は個人消費の増大をテコにして拡大基調をとると思う。
つまり、2015年後半には株式市場は上昇トレンドに入っていると予測する。