身近なお金の知識「デリバディブ」②
デリバティブの主な特徴としては、次の2つがあげられます。
多様性
通常、株式などの一般的な金融商品への投資目的には、配当などの収益獲得がありますが、その醍醐味といえば投資商品の値上がりによって大きな利益が狙えることでしょう。利益を得るための売買の鉄則は、右肩上がりの局面で安く買って高く売るというシンプルなものです。
ところがデリバティブ商品は、右肩上がりに限らず、右肩下がりの局面、すなわち価格の値下がりによって利益が得られるものや、あるいは価格が上がりも下がりもしないときに利益を得られるものもあります。この多様な商品性のおかげで、市場の動向に応じたさまざまな活用が可能になります。
利便性
デリバティブ取引に必要な金額は比較的少なくてすみます。というのは、取引当初に証拠金を払い込むだけで取引ができるなど、一般に取引時に発生する金額は原資産の取引よりも少額ですむためです。
通常、株式や債券の金融商品の売買には、多額の現金や株式・債券そのものを持っていなければなりませんが、それらは必要ありません。それでいて、実際に株式や債券などの実物の金融商品を売買したときと同じような効果が得られます。
このような少ない投資金額で大きな取引ができることを「レバレッジ効果」といいます。レバレッジとは、小さな力で大きなものを動かす「てこ」のことを意味します。
このような特徴を生かし私たちの個人資産運用に取り入れて行きたいものです。
■金融広報中央委員会「やさしいデリバディブ」より